ZZR1400 シート高(考)
というか大阪のショップでこれどこか安くやってくれないかな・・・
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カワサキZZR1400シート加工
いわゆるアンコ抜きですが、ただのアンコ抜きではないプロのシート加工とは
ZZR1400はシート高800㎜の割りに、足つきがあまり良くありません。
シートのカドが内腿に当たるのと、足をついた時にふくらはぎにあたるステップのせいからでしょう。
ステップがふくらはぎに当たるのを、バックステップへの変更で解消しようと考えましたが、バックステップの場合、後ろへ下げるだけでなく上がってもしまいます。
ツーリング使用メインを考慮したシート加工でそれらを解消する事にしました。
シート加工はシートのプロにお願いです。
いつもお世話になっている河名シート製作所の小野寺さんです。
河名シート製作所 小野寺さん
オーナーの体格とバイク暦と、主にツーリングで使っている事、足つきを良くして欲しい事、シートのカドが腿に当たる事、ステップがふくらはぎに当たる事、などを伝えて、後は雑談・・・後はシートが語ってくれるそうです。シートの中身を見るとその人の乗り方とか癖みたいなものが分かるそうです。私達がバイクを整備していると、どんな乗り方をしているのかの見当が付くのと同じでしょうか。
そんなこんなを踏まえて、小野寺さんから加工の概要を説明してもらいます。
ノートPCを使って綿密な打合せ
シートレザー(皮)をはがしたの状態でウレタン(スポンジ)加工のイメージを説明してもらいました。
黄色いテープがシートのカド部分です。赤いマジックで書いた線が削り落とすラインのイメージです。
実際はもっと繊細なラインで削って・・・いただいているハズです。
シートベース裏側(シートをひっくり返した状態)です。
左右ともカットした後に、「シートベース加工してるから写真撮りに来たら?」って・・・両方ともカットしたら比較できないじゃないですか!
シートベース表側です。
比較するために、同じような形状をしているタンデムシート部分の写真を撮ってみました。
3㎝くらい角を下げる事ができます。
「着座面を下げずに足つき性を向上」の秘密がこれです。はい、いま秘密ではなくなりました。
これで「ただのにアンコ抜き」ではないスマートで足つきの良いシートになります。
シート断面は台形になっているので、シートの座面を下げるだけのアンコ抜きの場合、アンコ(ウレタン)を削れば削るほどシート幅が広がっていきます。そうなると、ガードレールをまたいで足がついても、同じ高さの跳び箱では足がつかないのと同じ現象になります。・・・分かりにくい現象ですいません。
ZZR1400 シートベースをカットしたままでは強度不足になってしまうので、FRPで補強部材を作ります。
完成。笑顔はうそ臭いですが、シートの出来栄えは本物です。
ZZR1400シート比較
横から見たシートの厚みはノーマルと変わりません。比べないと見た目どこが変わっているのか分かりません。
足を出した時に太ももの当たる角部分はシート幅が狭くなっていますが、ライディング時におしりの載る部分は幅を持たせていますのでおしりが痛くなりません。
ZZR1400足つき
写真で見ると明らかに足つき性は向上していますが、ご本人は全然足が付かないわけでもないので、ちょっと良くなったかな?一番気になっていたふくらはぎに当たるステップが、だいぶ当たらなくなったかな?といったくらいの感想でした。この時までは・・・。
乗って帰られてすぐに電話をもらいました。
「走ってみたら、全然違う!信号待ちがすごく楽になった !」と。
帰り道の渋滞でわざとすり抜けせずに、車の列に並んでちょいちょい足をつきながら帰ったそうですが、かなり楽になったと感想を頂きました。ツーリング後半の疲れてきた時にこの違いはさらに大きく感じるだろうと、ツーリングを楽しみにされていました。
bow-wow
買う前に跨った時はそうでもなかったのに、いざ自分のバイクになって跨ると意外と足つき悪いな・・・みたいな経験はないでしょうか?
静止している状態でバイクに跨ると、自然に足が着きやすいように跨ってしまうので、ライディングポジション(走行した後)からの信号待ちなどの足つきとは少し変わりますし、スニーカーなどの足首の自由度が比較的高い靴では平気だけど、ブーツになると違ったりと、実際にツーリングに出て走ってみると変わることもあります。
シート加工後も前述のように、跨っただけでは大差ないと感じても、走り出すとその違いに気付きます。
座面を低くするだけのアンコ抜きシートでは得られない足つきと座り心地のプロのシート加工をオススメします。